てんかんは世界中で5,000万人の人々が罹患しており、比較的よく見られる重篤な神経障害です。これは人口の0.5~1.0%がてんかんに罹患していることになり、日本においてもこの割合はほぼ同様ですので、約100万人のてんかん患者さんがいると予想されます。
てんかん患者さんは、脳の一部(部分てんかんまたは焦点てんかん)または全体(全般てんかん)が過度の電気的興奮を生じることにより、発作を繰り返し起こします。発作は、感覚の喪失、筋痙縮、異常な動作、短時間または長時間の意識の混濁または消失など、いろいろな形態を取ることがあります。
てんかんは、おもに新生児や幼児に起こりますが、成人にも発症することがあり、65歳以上の人にも起こります(通常は頭部外傷、脳腫瘍、または脳卒中後に起こります)。新たにてんかんと診断を受けた患者さんのうち、10人中6人では原因が分かりません。
てんかんそのものによって脳に損傷が起こることがあり、死亡に至ることもあります。このため、てんかんに対して有効な治療を行うことがとても重要になります。