骨が粗鬆な(脆く弱い)状態になり、骨折する可能性が高くなる病気です。
自覚症状がないので、骨折してはじめて骨粗鬆症だとわかることもしばしばあり、まだ骨粗鬆症と診断を受けていないかたも含め、2005年時点においても、日本において40歳以上の女性約980万人および男性約300万人の合計約1,280万人が骨粗鬆症に罹患していると推定されています(「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」より)。
骨粗鬆症になると、若い丈夫な骨では起こりえないような骨折「脆弱性(ぜいじゃくせい)骨折」を起こすことがあります。例えば、つまずいて手をつく、転んで尻もちをつくといったような、日常生活におけるごく小さなアクシデントでも、骨折してしまうことがあります。さらには、知らず知らずのうちに、背骨がつぶれてしまう(圧迫骨折)こともあります。こうした骨折は、交通事故やスポーツなどのように大きな力が加わったことによる骨折とは区別され、骨粗鬆症の治療を行う必要があります。脆弱性骨折が起きやすい部位は、背骨・手首・足の付け根(股関節の周辺)で、激しい痛みで救急搬送されることも少なくありません。とりわけ、背骨や足の付け根を骨折してしまった場合には、それをきっかけに介護が必要となったり、寝たきりとなってしまったりといった深刻な事態をもたらすことから、こうした骨折を「骨卒中」と呼び注意を促す専門医もいます。